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テンギズ・アブラゼ(1984)『懺悔』

MONANIEBA
製作国:ソビエト
上映時間:153分
監督:テンギズ・アブラゼ
出演:アフタンディル・マハラゼ/ゼイナブ・ボツヴァゼ/エディシェル・ギオルゴビアニ

懺悔 [DVD]

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※旧サイトでの文章のため、体裁が少々異なります。

 旧ソビエト連邦時代のグルジア共和国1984年に製作された作品。いまだ一党独裁体制が続いていた時代に、ソ連の過去の悲劇を真正面から扱い、スターリン批判ともとれるストーリーを展開した問題作ながら、その後に誕生したゴルバチョフ政権が進めるペレストロイカ(改革)、グラスノスチ(情報公開)の象徴的存在ともなり、ソ連国内で大ヒットとなった。87年のカンヌ国際映画祭に出品され、みごと審査員特別グランプリを受賞。日本では2008年12月に劇場公開が実現。

テンギズ・アブラゼ監督のソビエト映画『懺悔』を視聴しました。日本初公開は2008年ですが、なんと制作年は1984年。ソビエト連邦崩壊前の作品です。日本公開時にたまたまオフィシャルサイトを見つけ、ストーリーに惹かれてぜひ見たいと思っていました。都合が合わず劇場には行けなかったのですが、今回DVDを見つけ、ついに見ることができました。

テンギズ・アブラゼ監督は当時ソビエト連邦の内側にあったグルジア(現在は独立しています)の人。この『懺悔』も明示はされないものの、舞台設定はグルジアだと思われます。グルジア文字やグルジア語が使われていますし。

ある日、有力な独裁者であったヴァルラム氏が亡くなります。盛大に葬儀が執り行われ、彼は埋葬されました。しかし、翌日になってみると彼は墓から掘り出され、何者かによって自宅まで運び込まれていました。何度埋葬しても掘り出されるヴァルラム氏。ほとほと困り果てた遺族は墓で犯人を待ち伏せします。そこに現れたひとりの老女。彼女こそ、ヴァルラム氏の墓を暴いていた犯人でした。遺族に訴えられ、裁判に臨む老女。彼女の口からはかつてヴァルラム氏が行った非情な行為が語られるのでした。

ストーリーを説明するとこんな感じ。ストーリー自体も非情に魅力的なのですが、登場人物の台詞、行動なんかも非情に魅力的。また、天秤を持つ目隠しされた女性(正義が機能していない?)や、ヴァルラムの容姿(黒シャツ=ムッソリーニ、チョビ髭=ヒトラー)などといったメタファも豊富に隠されており、2時間半の長丁場を飽きさせません。

この作品は、『祈り』、『希望の樹』につづく三部作の最終作、という位置づけだそうです。しかし、現在日本で気軽に見られるのはこの『懺悔』のみ。残り2作品のソフト化が期待されます。