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ユージン・ローリー(1953)『原子怪獣現わる』

THE BEAST FROM 20,000 FATHOMS
製作国:アメリカ
上映時間:80分
監督:ユージン・ローリー
出演:ポール・クリスチャン/ポーラ・レイモンド/セシル・ケラウェイ/リー・ヴァン・クリーフ

そろそろ映画が白黒からカラーへと移り変わっていく時代に作られた怪獣映画。この映画は白黒です。監督はユージン・ローリーですが、特撮監督として後に有名になるレイ・ハリーハウゼンが関わっています。ハリーハウゼンはこの映画ではじめて特撮部分を仕切りました。『アルゴ探検隊の冒険』みたいな後年の傑作に比べると、まだ技術が未熟かな、という点はあったものの、さすがハリーハウゼン、すでにその片鱗を遺憾なく発揮しています。

 核実験によって氷河の中の恐竜が蘇った。放射能を帯びた恐竜はニューヨークへ上陸、街中を恐怖に陥れる……。レイ・ブラッドベリの短編『霧笛』を下敷にした怪獣映画で、人形アニメーションの特撮はレイ・ハリーハウゼンが担当。少年時代から旧知の仲であった二人のレイの夢が結実したという、少々ロマンチックな舞台裏もある。

ストーリーは、北極で原爆実験したら、氷が溶けて、氷から目覚めた恐竜に玉乗り……じゃなかった、恐竜がニューヨークを襲うという、ゴジラによく似たストーリー。ゴジラよりも、この映画のほうが若干早いので、「核実験がもとで生まれた怪獣」ジャンルの嚆矢と言われることもあります。ただ、この映画の場合、原爆はただ単にすげー爆弾、くらいの認識で使われている感じなので、メッセージ性はないですね。かの国の人々って、人の国に原爆落としといて、どんな爆弾なのかろくに理解していない気がすることがあります。

恐竜の復活に懐疑的だった学者が、目撃者がふたり出てくるところっと信じたり(「私の名誉をかける」とか言いだす)、最後に都合良く恐竜を倒せる兵器が登場したり(放射性アイソトープで倒せる根拠ってなによ?)、プロットはぐだぐだです。それでも、ハリーハウゼンストップモーション・アニメはさすが。当時の観客の目にはかなり新鮮なものとして映ったことでしょう。

あと、この映画には若き日のリー・ヴァン・クリーフが出演しています。彼は1925年生まれなので、28歳のころでしょうか。髪がふさふさのヴァン・クリーフの映像は貴重かもw 頬は当時から痩けていたんですね。彼の登場は物語のクライマックス、例の放射性アイソトープ爆弾を恐竜に撃ち込むためのスナイパーとして登場します。スクリーンに映っているのは5分ほどなのですが、さらにそのうちの3分の2くらいは放射能除けのマスクをすっぽりと冠っているため、表情が見られるのは2分程度という悲しさ。