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おとやろぐ

イタリア製・ソ連製西部劇研究家見習い

大原美術館コレクション展@新美術館

日常

乃木坂の国立新美術館で開催中の「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」展(以下「大原美術館展」)に出かけてきた。倉敷にある大原美術館には、日本には2作品しかないエル・グレコの作品が収蔵されていたり(ちなみにもう1点は国立西洋美術館に収蔵されている。が、何となくあっちは工房作っぽい雰囲気があるような気がするんだよなあ……)、中村彝の晩年の自画像が収蔵されていたりと、ずっと行きたい美術館ではあったのだけれど、さすがに倉敷は遠く、なかなか行けなかったのだ。

それがエル・グレコのほうから来てくれる、というのだから行かない手はない。ちなみに、ぼくはエル・グレコが本当に大好きで、2012年に日本で「エル・グレコ展」がはじまったときには、東京に来るのが待てずに、それを見るために大阪まで行ったくらいである。ちなみに、その後スペインに旅行した際にもいろいろな美術館や収蔵されている施設で思う存分エル・グレコを見た。

平日ということで来館者は少なめかつ年齢層は高め。展示室に入って驚いたのが、第1章の中東産のラスター彩の出土品やら、古代エジプトの出土品やら、中国の出土品やらの展示。大原美術館って、こういうものも収蔵していたのか。目当てのエル・グレコの「受胎告知」は第2章の一番目立つ場所に展示されている。彼の「受胎告知」は他にも何枚か見たことがあるが、やはりすてきだ。ただ、3年前よりも、受ける衝撃が小さくなってしまった気もする。もしかすると、自分の絵の趣味がいつの間にか変わってきているのかもしれない。抽象画好きになったしなあ。第2章はほかにもセザンヌゴーギャン、モロー、ドガなど、有名どころの作品が並ぶ。

第3章は近代日本の洋画家の作品。中村彝の「頭蓋骨を持てる自画像」もここに展示されている。グレコが来ているのは知っていたが、中村彝まで来ているとは思っていなかったので、思いがけず出会ってものすごく嬉しかった。絵の構図自体はネットで見て知っていたが、やはり実際に見ると受ける印象が違うし、発見もある。例えば、この作品は教会の窓のように、上部が丸い形になってる(わかるかな?)のだが、これはそういう形に額を作っているのだとばかり思っていたのだけれど、実際に見てみると、その部分にも茶色系統の色をつけていた。また、人物の形自体はエル・グレコの影響が強く感じられるのだが、色のつけ方は案外セザンヌっぽい印象もある。

第4章以降はさらっと見たのだけれど、ブリヂストン美術館で「旋回する線」を見て以来気になっていたジャン・フォートリエの作品が2作品展示されていたのが印象に残る。そのほかにもロスコーやジャスパー・ジョーンズ、タピエスなど、なかなか面白い作品を多く収蔵している美術館なんだなあ、という印象。

しかし、所蔵作品をこんなに惜しげもなく外に出しちゃって、大原美術館、太っ腹だなあ……