OtoyaLog

おとやさんが好きかって書くログ

「強いからついて行く」という面白い世界

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「あの人は強いから逆らわない」というのは、権力的な意味ではしばしば聞きますが、物理的に「殺傷技術が自分より高いから逆らわない」とか、「人を傷つける技術に優れているからついて行こう」という話になってくると、どこの室町時代だよ、みたいな話になってきます。

しかし、この理論が今でもそれなりに通用するのが武道、武術界です。私は現在2人の師匠について技を習っているのですが、私がその人たちを尊敬し、付き従っている理由も、突き詰めていくと、「その人が技術において自分より優れており、さらに周辺の人々の中で最も優れていると思われるから」ということになってきます。武術においては、技術というのはとりもなおさず、相手を殺傷する、あるいは殺傷しないにしても、相手の武力を無効化する技術ということです。

要は少年マンガの「俺より強い奴に会いに行く」的世界観が現実に存在しているのが武道・武術界だと言えます。……なんて、かっこいいこと書いてみましたけれど、武道・武術界も人間社会である以上、それだけでは測れない部分もあるんですけれどね。でもまあ、自分のことを強くしてくれる、強い師につきたい、というのは、武術やっている人間なら誰でも思っていることでしょうし、そういう意味ではわかりやすい世界ではあるのかなあ、とも思います。

現在では、暴力は国家によって管理されていますから、よほどの限定された状況を想定しなければ、実際に鍛えた技を使うシチュエーションはなかなか発生しないわけで、それならどうして武術を鍛錬するのか、という話になると、特に武器術の場合は自己満足の度合いが強くなってきます。

一方で、それぞれの武術体系の中にある技法、身体操作方法は長い年月をかけて磨き上げられてきたものであり、限定的なシチュエーションとはいえ、そのシチュエーションの想定の元では非常に有用な技術であり、また、精緻で複雑な技術であるがゆえにいくら稽古を繰り返しても、完成するということはなかなかありません。そういう意味では、一生をかけて研究できる、面白い趣味であるともいえます。

まあ、話がとっちらかってきましたが、武術、面白いから、興味のある人は気軽に自分の興味のある武術の稽古場所とか、見学に行ってみるといいんじゃないかな、という話です。そういう話だったっけ? まあ、いいや。その際、道場内の雰囲気とか人間関係とか、割と大事です。どうしても人間合う合わないはありますから。あと、自宅から通いやすいこと。週1回とか2回とか通うわけですから、あんまり家からも職場からも離れていたりすると、なかなか長期的には辛くなってきます。まあ、例えば槍術とか、そういう現在では珍しい武器に興味を持っちゃったりすると、なかなかそうも言ってはいられないですけれどね。あくまで例えです。