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アニメ版シュタゲゼロの第8話が良かった話をずっとしたい

アニメとゲームと、ゴリゴリネタバレあるよ。

昨夜放送だったわけですけれども。前作であるところの、アニメ版『シュタインズ・ゲート』のほうは基本的にはアニメオリジナル少なめの、ゲーム版のダイジェスト感が強かった(とは言え、特に萌郁ルート(?)の処理なんかでアニメオリジナル展開は見られたけれど。でもまあ、物語の展開という意味では基本ゲーム通りだし、あれはゲームの方がシナリオ的にも好き)わけですが、『シュタインズ・ゲート ゼロ』の方は、特に第3話あたりからちょこちょこと原作にない展開が加えられていたり、原作の複数ルートが統合されていたりというアニメオリジナル展開が見られました。

第3話のクライマックスで岡部が真帆からアマデウスは紅莉栖本人ではないことを指摘されるシーンが、私が認識した一番はじめのアニメオリジナル展開だったのですが(厳密に言うと、その前に真帆が代償行為について調べてたりする伏線部分もある)、アニメ版の岡部はゲーム版の岡部よりも更に精神的に脆いキャラクター設定になっている印象があります。ゲームだと、アマデウス紅莉栖への依存傾向に自分で気付いて離れようとしたりしますし。

今書きたいのはそこではなくて、いや、第3話最後の展開も好きなんですが。「ゼロ」の不満点と言うか、もやもやする部分として、前作に比べると世界線移動の切欠や因果関係がはっきりしない、という点が挙げられます。まあ、しっかり考察すればある程度正解に近いと思われる推論は立つのですが、前作では岡部が主体的に動いた結果として世界線が移動していたことに比べると、どうしても非常に分かりづらい。

で、ゲーム版「ゼロ」でも岡部がDメールを送信することによって自覚的に世界線を変動させるシーンが一つあって、それが今回のアニメで放送されたα世界線からβ世界線に戻るシーンだったわけです。ただ、ゲーム内では、いつの誰にどんな内容のメールを送ったのかが明確に描かれておらず、その辺非常にもやもや感が残ったんですよ。また、α世界線のシークエンスが非常に短いので、物語内で紅莉栖が言うように「夢」感がかなり強いシークエンスになっています。それこそ、以前ゲームの感想で書いたように『装甲悪鬼村正』のアレに近い感じ。

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翻って、アニメ版なのですが、1話まるまる尺を取ったこと。そしてラボ以外の場所に移動したり、紅莉栖以外のキャラクターも登場することで、ゲームではあった「夢」感がかなり薄れ、現実感が強まっています。

また、すんごい枝葉末節としては、まゆりが死んで打ちひしがれてた割には、スマホに機種変する余裕よくあったな、みたいな不整合も、紅莉栖たちがGPSで見守るために無理やりスマホを持たせた、みたいな解釈ができるようになってるのも良かった。強いていえば、回想シーン内でまゆりの墓の前で立ち尽くす岡部が白衣じゃなくて、黒い服だったら更に良かった気もするけれど。

で、今回のアニメ版で最も素晴らしかった改変は、β世界線に戻るためのDメールの内容がしっかりと描写され、しかもそれが破綻なく、非常に美しく前作の隙間部分に綺麗に嵌まり込んだところ。正直、原作ではそのへんのうまい展開が思いつかなくて投げたんじゃないかなあ、という感もあった部分を、すごく綺麗に補完してくれました。本当にすばらしい。クライマックスだけもう5回くらい見た。