ウェールズ語をはじめ、ケルト諸語の特徴のひとつとして語頭音の変化が豊富であることがあげられます。すごく雑に言えば日本語の連濁のような現象です。ここでは私の学習メモとして、ウェールズ語の音変化の規則を書いていきます。
メモなので、まったくもって全てのケースは網羅していません。学習が進むにつれて新しい規則を追加していくつもりですが、ここに追加するのか、エントリーを改めるのかも未定です。
3種類の音変化
ウェールズ語には軟音化、鼻音化、帯気音化という3種類の音変化があります。それぞれの規則は以下のとおり。
軟音化:p>b, t>d, c>g, b>f, d>dd, g>φ, m>f, rh>r, ll>l
鼻音化:p>mh, t>nh, c>ngh, b>m, d>n, g>ng
帯気音化:p>ph, t>th, c>ch
たぶんケルト諸語の中だとシンプルなほうだと思います。あんまり他の言語ちゃんと見てないですけど。
ざっくり言えば、軟音化は無性破裂音は同じ調音点で有声破裂音に、その他はなんか微妙に調音点や調音方法が変わったり有気無気が変わったりしてますね。g-は消失する。この辺は覚えるしかない。
鼻音化は同じ調音点で無声破裂音は帯気鼻音に、有声破裂音は無気鼻音になってます。わかりやすい。
帯気音化は綴りを見ると無声破裂音が帯気音化しているように見えるんですが、実際の発音はphは[f]、thは[θ]、chは[χ]です。まあ、そんな感じ。
規則
現在私が理解している最新の規則は下記エントリをご覧ください。
軟音化
- 前置詞am, ar, at, i, oの後ろ
- 「叙述のyn」+ 名詞、および「叙述のyn」+ 形容詞のとき(ただしrh-, ll-は軟音化しない) ※yn + 動詞では軟音化しない
- 代名詞所有格dyの後ろ
- 数詞dauの後ろ
鼻音化
- 代名詞所有格fyの後ろ
帯気音化
- 接続詞aの後ろ
法則がまだわからない事例
- siop+bara = siop fara(軟音化)
- swyddfa + post = swyddfa bost(軟音化)
- i'r + tre = i'r dre(軟音化)