おとやろぐ

イタリア製・ソ連製西部劇研究家見習い

【未解決】新momentoでFlickr写真が正常な時刻で取り込まれない問題

otoyalog.hatenablog.com

過去にこんな記事を書いたmomentoですが、先日公開されたv3.4.1でいろいろな機能が追加されました。具体的には、

  • Flickrからのデータ取り込みに対応
  • RSSフィードの新規追加復活
  • Twitter投稿について、リプライを取得するかどうかを選択可能に
  • 検索機能において、検索語句が含まれる投稿のみを一覧表示する表示方法の追加
と、以前の記事で指摘してたデメリットをすべて修正してきておりまして、momento開発陣、ここのブログをチェックしているんじゃないかと思えるくらいの素晴らしいアップデートです。

ただ、手放しでは喜んでいられないアップデート内容や、依然として不具合なのか、設計がそもそもおかしいのか、という更新内容も含まれています。具体的には、

  • 年額有料アプリ化
  • これはどういうことかというと、今までmomentoは有料アプリだったのですが、今バージョン以降、基本機能は無料で公開し、すべての機能を使いたい場合、年ごとに何がしかのお金を払う形態に移行したということです。有料アプリ時代に購入したユーザーは、1年間はプレミアムユーザーとして全機能にアクセス可能ですが、その後は年ごとに幾ばくかのお金を払う必要があるようです。ちなみに、限定版では連携できるフィードの数などが制限されているようで、ヘビーユーザー(ぼく含む)はお金を払ってプレミアムユーザーになる必要がありそう。

  • 検索機能の検索結果に漏れがある
  • この辺は実装の不具合だと思うんですが、日本語での検索精度がいまいち悪い。本来全文検索して、該当する投稿をすべて引っ張ってきているはずなのですが、うまく動作していないと思われることがあります。以前のmomento classicでは正しく検索されるので、なんで劣化しているのか……

  • Flickrフィードが正しい時刻で取り込まれない
  • これもぼくは実装の不具合だと思っているんですが、サポートは正常な動作と言っている……(後述)

    ぼくは写真を撮影する際、デジタルカメラの設定時刻を日本時間に設定しています。同様に、Flickrのプロフィールのタイムゾーンも+09:00(日本時間)に設定。iPhoneも日本で使っているので、当然日本時間になっています。

    この状態でmomentoにFlickrに登録した写真を取り込むと、9時間先のデータとして登録されます。例えば、6月22日午前8時に撮影したデータがあったとすれば、同日の午後5時のデータとして取り込まれてしまうわけです。

    おそらくFlickr側のタイムゾーンを正常に処理できていないんじゃないかと思っているのですが、この問題についても、momento classicではきちんとした時間に取り込んでくれるんですよね…… なんで劣化してるの……(2度目)

    この件についてはmomentoサポートに問い合わせたのですが、momentoでは、Flickrタイムゾーンではなく、momentoを使っているiPhoneタイムゾーンに依存するんだよ(意訳)みたいな、なんかちょっとずれてるんじゃないの、的な回答しか頂けず、英語であんまり突っ込んだやり取りするのも疲れるし、どうしたもんかと思っているところ。

【追記】暫定的な対応

Flickr側のタイムゾーンを変更したり、取り込み時のiPhoneタイムゾーンを変更したり、いろいろ試してみたのですが、全部うまくいきません。Flickrについては、変更しても一切momento側に反映されないので、公式の回答通り、Flickr側のタイムゾーン設定は一切参照してない模様。なんでclassicと新バージョンで仕様が違うんだろ。

現バージョンのmomentoでは、日本時間で撮影したFlickrデータを正常に取り込むことは難しいと判明したため、暫定的な対応として、新momento側でのFlickrとの連携は行わず、旧momento側でFlickrから写真データを取り込み、それを新momento側のデータインポート機能で定期的に取り込む、という方法が一番マシそう。

【追記の追記】

momento classicの最新バージョンであるv2.9.1では、Flickrとの連携機能が削除されているとの情報を頂きました。以前のバージョンで既にFlickrと連携済みの場合はv2.9.1でも引き続き取り込みはできるものの、一旦連携を解除してしまうと、再連携はできない模様。その場合、momento classicを旧バージョンに戻せば対応可能かなあ、とは思うものの、ぼくは試していないので詳細は分かりません。

いずれにしろ、momento classicから完全に卒業できる日はまだ遠そうです。

Momento — Private Diary / Daily Journal

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「赤い西部劇」翻訳進捗状況 3

本日、第2章「30年代。『13人』」をひとまず訳了。ソビエト映画史的には30年代前半と後半で状況はかなり変わってくる(後半になるとスターリンの映画への介入がどんどん露骨になる)のですが、ソビエト西部劇史については、非常に重要な作品が生み出された一方で、本数時代は非常に少なく、冬の時代とも言えます。もちろん、ソビエト映画史的にも冬の時代に入っていくのですが。

本日時点で予定より3日分前倒して進んでいます。ただ、新宿のケイズシネマで上映されている「パラジャーノフ特集」を見に行きたいなあ、と思っているので、結局また2日間はそれに取られてしまう模様。

(現時点での仮の)訳了予定:2016/12/24(1日縮まった!)

気軽に(?)行けるマカロニテーマパーク 〜マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション発売に寄せて〜

さて、ついに朝日新聞出版社から分冊百科「マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション」が発売されました。それを記念して、というわけでもないのですが、以前似たような企画のために書いたものの、企画がなくなったため死蔵されていた幾つかの原稿から、アルメリアマカロニウエスタン・テーマパーク誌上ツアー&ツアーガイドをご紹介します。(一人称が「筆者」とかなってるのは紙媒体を想定していたためです。)


マカロニウエスタンに限ったことではないのかもしれませんが、ロケ地探訪というのは過酷な作業です。映画に映された一瞬のシーンから山の形を読み取り、車やバイクを駆使してスペインの荒野を、時には地権者に怒鳴られながら、微かな痕跡を探して走り回る。そんな体験をしながら、探していたロケ地を見つけたときの感動はひとしお……だそうです。お恥ずかしながら、筆者もそこまで過酷なロケ地探訪はしたことがなく、そういったルポは他の方にお任せするとして。今回は、そこまで過酷な体験をする時間も覚悟もないけれど、ちょっとした時間(と言ってもスペインまでは行っていただくことになります)で気軽にロケ地観光をしてみたいというアナタ、そこのアナタ向けのお得情報をご紹介いたしましょう。そんな旨い話があるわけないって? いや、それがあるんです。

さて、スペイン行きの航空券はおさえましたね? 行き先は、まぁ、バルセロナでもいいですが、ここはおとなしくスペインの首都、マドリッドにしておきましょう。マドリッドまでは飛行機で15時間以上。慣れない外国での乗り継ぎもあってお疲れでしょう。1日目はバルで美味しいつまみとスペインワインを頂いて、早めに休んでしまいましょう。早めと言ってもスペインの夜は結構遅いんですけれど。翌日、マドリッドのアトーチャ駅から列車に乗車。目指すはアンダルシア州アルメリア県の中心都市、アルメリアです。

マドリッドからアルメリアまでは6時間程度。南に下るにつれて、車窓はオリーブ畑が点在する緑豊かな風景から、マカロニウエスタンの荒野を思わせるようなゴツゴツした荒地が散在する風景に変わってゆきます。列車は終点アルメリア駅に到着。アナタは荷物を抱えて駅舎から出てきました。はい、そこで左斜め後方をご注目ください。そちらに見えますのが『夕陽のギャングたち』のロケ地に使用された旧アルメリア駅でございます。2000年代初頭までは現役の駅舎として使われていましたが、現在は中に入ることはできません。残念。

アルメリア1日目は市内観光でもしましょうか。そんなに大きな町ではなく、中心部はぶらぶら歩いて回ることができます。潮風に吹かれながら、駅から西にむかうと旧市街が広がっており、要塞跡であるアルカサバ、教会であるカテドラルなど、観光名所が散在しています。ぶらぶらしていたアナタは、アユンタミエント(市庁舎)の前で見覚えのある風景にぶつかります。そう、ここはトーマス・ミリアン主演の『復讐無頼・狼たちの荒野』で使われたロケ地なのです。そろそろ暗くなってきました。今日はクリント・イーストウッドリー・ヴァン・クリーフも泊まったという、ホテル・アルメリアにでも泊まりましょうか。

アルメリアに来るマカロニファンには2種類の人間がいる。レンタカーを借りる奴と、タクシーをチャーターする奴だ。さて、レンタカーでもタクシーでも良いのですが、郊外への足を確保しましょう。ちなみに、レンタカーの場合、市街には借りられるところが少ないため、L-22系統のバスでアルメリア空港に向かい、そこで借りると良いでしょう。アルメリア市街からA92号線を30分ほど北上すると、ゴツゴツした荒野(この辺りにもロケ地が散在しています)の先にひとつのテーマパークが見えてきます。その名もミニ・ハリウッド。

入り口で入場料を払い、中に入ると大音量のマカロニミュージックがお出迎え。レオーネやコルブッチ監督作品の音楽が賑やかにかかっています。そして辺りそこここに見覚えの建物、建物、建物。そう、このテーマパークは『夕陽のガンマン』のために作られたセットをそのままテーマパークとして保存しているのです。カルロ・シミが頭取をつとめていたエル・パソ銀行ももちろんあります。そして大通りには無法者風の衣装をつけた髭面の男や、派手な衣装をきた酒場の踊り子たちも行き交っています。

夢中で建物を見たり、写真を撮ったり、映画ポスターを見たり(中にはポスターが所狭しと飾られた小さな展示施設もあります)、手配書ポスターの顔ハメをしたりと遊んでいたあなたの耳に銃声が飛び込んできます。すわ無法者の襲撃かと広場に向かうと、そこでは西部劇ショーが開催されていました。銃撃戦あり、バルコニーからの転落あり、馬で囚人が引きづられるシーンありと、なかなか見ごたえのあるショーに大満足のアナタ。ただ、ちょっと登場人物の身のこなしが最近のアメリカ西部劇っぽかったのは、まぁ、気にしないでおいてあげましょう。その後サルーンでカンカンショーまで見て大満足。さて、そろそろアルメリアに戻りますか。なに? まだマカロニ気分が抜けきらない? それじゃあ、もう1軒ハシゴしましょう。

ハシゴと言っても次のサルーンじゃないですよ。ミニ・ハリウッドからさらに5キロほど車で北上しましょう。幹線道路を外れ、ガタガタ道を不安になりながらしばらく走っていくと、「TEXAS HOLLYWOOD」と書かれた少し埃まみれになった看板が見えて来ましたね。ここがもう一つのロケ地テーマパーク、テキサス・ハリウッドです。なになに? ミニ・ハリウッドと比べてみすぼらしい? うーん、確かに。しかし、ここも『盲目ガンマン』をはじめとする多くのマカロニウエスタンで使用された貴重なオープンセットをそのまま保存したテーマパークなのです。

確かにミニ・ハリウッドに比べると保存状態はあまりよくありませんが、敷地面積はこちらのほうが広く、白壁で作られたメキシコの村を再現したセットもあって、なかなか楽しめるでしょう? ほら、ダン・ヴァン・フッセンのサインもありますよ。スペイン人の団体観光客が来ていることの多いミニ・ハリウッドに比べるとこちらのテキサス・ハリウッドは観光客も少なめで、低予算マカロニウエスタンの雰囲気をよく醸し出してもいます。

また、このテキサス・ハリウッドは、マカロニウエスタンではないですが、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督のスペイン映画『マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾』のロケ地としても使われたほか、近年始められたアルメリア・ウエスタン・フィルム・フェスティヴァルという西部劇映画祭の主要会場の一つにもなっています。

テキサス・ハリウッドでも西部劇ショーを堪能してアルメリアに帰ってきたアナタ。これからどうします? お急ぎでしたら夕方の列車でマドリッドにも戻れますが。なになに、まだ時間がある。もうちょっとロケ地を見てみたい。うーん、困ったなぁ。テーマパークになっているロケ地はこの2か所くらいしかないんですよ。ふんふん。別にテーマパークじゃなくて構わない。じゃあ明日、車を2時間くらい走らせて、東のガタ岬のほうまで行ってみましょうか。あっちにもまた、『夕陽の用心棒』のロケ地とか、『怒りの荒野』のロケ地とか、面白いところがいろいろあるんですよ……

「東部劇本」目次(仮)紹介

現在執筆、構想中のソビエトの西部劇本(通称「東部劇本」)ですが、だいたいこんな感じの構成にしようかなあ、と考えており、目次第1案をさらしておきます。順調に行けば、こんな感じの内容を盛り込んだ本になると思われます。

まえがき 西部劇とは何なのか
第1章 革命以前のロシア映画簡史
第2章 レーニン時代の西部劇
第3章 スターリン時代の西部劇
第4章 その後の西部劇

コラム 旧共産圏の西部劇:東ドイツ編
コラム 旧共産圏の西部劇:チェコスロバキア
コラム 旧共産圏の西部劇:ルーマニア
コラム 旧共産圏の西部劇:ユーゴスラビア

巻末付録 ソビエト西部劇フィルムガイド

第4章については、情報が多くなりそうだったら幾つかに分割するかも。巻末付録のフィルムガイドでは、1作1作についてタイトル、監督、出演者などの情報、あらすじ、特徴などの紹介、ぼくが見ることができた作品については見どころの解説、DVDなどが出ているものについてはその情報などを入れていこうと思っているので、多分そこが一番ボリュームが厚くなります。旧共産圏の西部劇については、情報を入手できた限りの国については書こうと思ってますが、今のところある程度の情報を持っているのは上の4ヶ国くらいです。

2016年3月 読書メーターまとめ

2016年3月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1799ページ
ナイス数:19ナイス

本のおかわりもう一冊 (桜庭一樹読書日記)本のおかわりもう一冊 (桜庭一樹読書日記)感想
東日本大震災前後のエピソードが収まっている巻。そのせいもあってか、それまでの巻に比べて内省的な記述が多い……気がする。多分。それでも相変わらずもりもりと本を読んでいらっしゃるので、こちらの「読みたい本」ももりもり増えるという寸法。
読了日:3月28日 著者:桜庭一樹

本に埋もれて暮らしたい (桜庭一樹読書日記)本に埋もれて暮らしたい (桜庭一樹読書日記)感想
『お好みの本、入荷しました』から引き続き。相変わらず読んでいるとどんどん読みたい本が見つかり、読書メーターの「よみたい本」一覧に本が追加されていく。もう731冊積まれてるぞ。どうする気だ。 前巻ではしばしば登場していた旦那さんが、すでにほとんど話題に上がらなくなっている。時折結婚自体の話は出てくるが。
読了日:3月28日 著者:桜庭一樹

お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)感想
桜庭さんの大好きな読書日記。よくもまぁ毎日1冊なんて読み切れるなぁ、と思いつつ、気になった本をメモメモ。この読書日記シリーズは時代的な順番と、自分が読んだ巻なのか読んでない巻なのかちょっとわかりづらい。この巻は幸い初めて読んだ。お風呂に入りながら本を読むと、本が傷みそうで気になるけど、どんなもんなんだろうなぁ。
読了日:3月25日 著者:桜庭一樹

星の巡礼 (角川文庫)星の巡礼 (角川文庫)感想
この本の影響もあり、サンチャゴ・デ・コンポステーラ巡礼の道の人気が高まった、という話は聞いたことがあったが、内容はまったく知らなかった。思った以上に神秘主義的世界観に彩られており、また、それが作者の自伝的な要素も強いと知り、非常に驚いた。ぼくは普段そういったことにほとんど興味がないのだけれど、特に本書に没入するのを邪魔されることはなかった。一気に読んでしまった。
読了日:3月15日 著者:パウロ・コエーリョ

コンゴ紀行 (〔正〕) (岩波文庫)コンゴ紀行 (〔正〕) (岩波文庫)感想
フランスを代表する小説家によるアフリカ、コンゴ旅行記。この時代の旅行者というのは、非常に多くの現地人を連れ歩くものだなぁ。本文中にもしばしば「もう私は若くない」という記述があり、一体幾つ頃の旅行記なのだろうと思っていたが、巻末の解説によると56歳だったとのこと。そうとは思えない行動力と瑞々しい感性は、さすが偉大な小説家、という印象だ。
読了日:3月13日 著者:アンドレ・ジイド

からかい上手の高木さん(1) (少年サンデーコミックススペシャル)からかい上手の高木さん(1) (少年サンデーコミックススペシャル)感想
良い、とても良い。
読了日:3月11日 著者:山本崇一朗

無縁社会無縁社会感想
既に6年前の本だが、状況は当時よりも改善されるどころか、ますます切迫した問題となっているように感じる。一方で、人は結局は一人で死ぬわけで、それをどこまで問題にするべきなのか、日本人の宗教観や家族観が変容するなかで、今までの死や埋葬の形に囚われず、新しい謂わば明るい「無縁死」の形を模索することも必要なのではないかと感じる。また、本書ではあまり統計的なデータがないため、過去の日本や現在の諸外国と比べ、この問題において現在の日本がどう位置付けられるのかは分からなかった。
読了日:3月6日 著者:NHK「無縁社会プロジェクト」取材班

東宝・新東宝戦争映画DVDコレクション全国版(56) 2016年 3/29 号 [雑誌]東宝・新東宝戦争映画DVDコレクション全国版(56) 2016年 3/29 号 [雑誌]感想
初ソフト化の『独立機関銃隊未だ射撃中』を収録。映画自体は申し分ないもの。冊子は一箇所、俳優の役柄で誤植が見られるものの、佐藤允の子息の寄稿や当時の脚本と実際の内容の相違を説明したコラム、トーチカの平面図などなかなか読み応えがあるもの。さすがに50号以上続くだけのことはある、しっかりした作りだった。
読了日:3月5日 著者:

読書メーター

「赤い西部劇」翻訳進捗状況 2

まめに進捗を報告することによって、自分をサボらせない試み。

本日、第1章「20年代の名誉ある始まり」を訳了。1920年代の革命直後のソビエトにおける、西部劇の状況が描かれた章です。そんな時代にソビエトで西部劇なんて作られていたのかって? それが作られていたんですよ。まぁ、「西部劇」をどう定義するかによるんですけれども。まぁ、これ以上書くと自分の書き物のネタばらしになっちゃうので、今はまだこの辺で。

今日時点で予定より作業は1日前倒しで進んでいるのですが、来週に上京しなければならない予定が1日入ってしまったので、訳了予定日はプラスマイナスゼロです。

(現時点での仮の)訳了予定:2016/12/25

大原美術館コレクション展@新美術館

乃木坂の国立新美術館で開催中の「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」展(以下「大原美術館展」)に出かけてきた。倉敷にある大原美術館には、日本には2作品しかないエル・グレコの作品が収蔵されていたり(ちなみにもう1点は国立西洋美術館に収蔵されている。が、何となくあっちは工房作っぽい雰囲気があるような気がするんだよなあ……)、中村彝の晩年の自画像が収蔵されていたりと、ずっと行きたい美術館ではあったのだけれど、さすがに倉敷は遠く、なかなか行けなかったのだ。

それがエル・グレコのほうから来てくれる、というのだから行かない手はない。ちなみに、ぼくはエル・グレコが本当に大好きで、2012年に日本で「エル・グレコ展」がはじまったときには、東京に来るのが待てずに、それを見るために大阪まで行ったくらいである。ちなみに、その後スペインに旅行した際にもいろいろな美術館や収蔵されている施設で思う存分エル・グレコを見た。

平日ということで来館者は少なめかつ年齢層は高め。展示室に入って驚いたのが、第1章の中東産のラスター彩の出土品やら、古代エジプトの出土品やら、中国の出土品やらの展示。大原美術館って、こういうものも収蔵していたのか。目当てのエル・グレコの「受胎告知」は第2章の一番目立つ場所に展示されている。彼の「受胎告知」は他にも何枚か見たことがあるが、やはりすてきだ。ただ、3年前よりも、受ける衝撃が小さくなってしまった気もする。もしかすると、自分の絵の趣味がいつの間にか変わってきているのかもしれない。抽象画好きになったしなあ。第2章はほかにもセザンヌゴーギャン、モロー、ドガなど、有名どころの作品が並ぶ。

第3章は近代日本の洋画家の作品。中村彝の「頭蓋骨を持てる自画像」もここに展示されている。グレコが来ているのは知っていたが、中村彝まで来ているとは思っていなかったので、思いがけず出会ってものすごく嬉しかった。絵の構図自体はネットで見て知っていたが、やはり実際に見ると受ける印象が違うし、発見もある。例えば、この作品は教会の窓のように、上部が丸い形になってる(わかるかな?)のだが、これはそういう形に額を作っているのだとばかり思っていたのだけれど、実際に見てみると、その部分にも茶色系統の色をつけていた。また、人物の形自体はエル・グレコの影響が強く感じられるのだが、色のつけ方は案外セザンヌっぽい印象もある。

第4章以降はさらっと見たのだけれど、ブリヂストン美術館で「旋回する線」を見て以来気になっていたジャン・フォートリエの作品が2作品展示されていたのが印象に残る。そのほかにもロスコーやジャスパー・ジョーンズ、タピエスなど、なかなか面白い作品を多く収蔵している美術館なんだなあ、という印象。

しかし、所蔵作品をこんなに惜しげもなく外に出しちゃって、大原美術館、太っ腹だなあ……