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『ペルシア語四週間』を四週間+三週間と二日でやってみた

Q. 大学書林の『ペルシア語四週間』って四週間で読み切れるの?

A. 無理です

以上。

 

閑話休題大学書林から出ている黒柳恒男著『ペルシア語四週間』という全602ページの分厚い学習書があります。今まで文法事項の参考書として手元に置いていたのですが、ちょっと気合いを入れて頭から勉強していくか、と思って勉強を始めたのが1月20日、そして今日ついに最後までやり切りました。

ちなみに私は初学者ではありません。白水社の『ニューエクスプレス ペルシア語』は4~5周くらいしており、吉枝聡子著『ペルシア語文法ハンドブック』についても一通り上げています。基本的には独学ですが、某大学のペルシア語の授業に一瞬だけ潜らせていただいたことがあったり、最近はイラン大使館関係団体が主催の口語中心の講座をオンライン受講したりしています。その程度のペルシア語力の持ち主です。

勉強の方法ですが、全ての例文について、単語の意味が明確でないものは辞書を引き、1~3回程度ノートに書きつける。それぞれの章末にある訳読と復習問題は自力で解き、回答を確認して手直しをする。最後の二日部分の現代文、古典文それぞれの長文についても、自力で日本語訳を作り、掲載されている日本語訳と照らし合わせて確認する、という形でやりました。

総学習時間は81時間49分。本書の頭から読み始めたのが1月20日で、読み終わったのが3月11日。つまり51日間、7週間と2日かかった計算になります。1日あたりの学習時間は1時間36分。単純計算すると、現在の私のペルシア語力で、本書を4週間で終えるためには1日あたり2時間55分の勉強が必要だった、ということになります。となるとまあ、「無理」というのは言い過ぎで、学習環境によっては達成可能な目標であるような気はします。とはいえ、やはり初学者には無理なのでは……

 

ちなみに本書、ペルシア語の文法項目らしい文法項目の解説は第4週第3日で終わり、4日と5日はペルシア語の理解に役立つアラビア語の文法事項の説明、6日と7日はひたすら長文読解の練習(6日が現代文、7日は古典(古典とはいってもハーフェズやフェルドウシーといった現代のペルシア語の範疇))という構成になっています。

私のケースでは、この最後の2日間の読解を終わらせるのに11日間、18時間かかりました。最後の2日分を終わらせるのに、学習時間の4分の1弱がかかっている計算になります。

 

完走した感想としては、中級レベルくらいまでに必要な知識は一通り紹介されているので、やはり通してやると確実に力はつく、という実感を持ちました。ただ、イスラム歴の月名など、リストで紹介されてその後ほとんど登場しない知識などもあり、これらについてはまだしっかり覚えられている気がしません。まあ、このあたりのことは本書に限った話ではないので、自分で繰り返して覚えるしかありませんが。

また、第4週4、5日のアラビア語の文法説明は簡素にすぎるので、アラビア語の文法知識がないと正直よく分からないと思います。私はアラビア語の知識がほとんどないので、やはりしっかり分かってはいません。

最終日の訳読に関しては、ガッザーリーとフェルドウシーを読まされるのですが、特にフェルドウシーはさすがにこの段階で読むのは厳しい気がします。演習で読むハイヤートとハーフェズもそこそこ難易度は高いものの、これらについてはグロッサリーが付いているのでだいぶ読みやすくなっているのですが、訳読にはグロッサリーが付いていないのでかなり難度が高いです。