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Windows10環境でのゼロ幅非接合子とソクーンの入力方法

Windows10環境でのペルシア語の入力にあたり、タイトルにあるゼロ幅非接合子とソクーンの入力方法を調べるのに少し手間取ったので、古のウェブ作法に則り備忘録を書いておきます。

以下の入力方法は、言語設定よりペルシア語キーボードをインストールしている状況を前提としています。

  • ゼロ幅非接合子――Altキーを押したまま、テンキーの0157を押下後、Altキーを離す
  • ソクーン――Altキーを押したまま、テンキーの0250を押下後、Altキーを離す

以下蛇足です。

ゼロ幅非接合子とは?

ペルシア文字を含むアラビア文字系の文字は、一つのキャラクターについて原則として語頭形、語中形、語尾形の3つの形があります。パソコン上に入力する際には、キャラクターの位置に応じて自動的にこれらの形から適切な形が選択されるのですが、ペルシア語の正書法上、語中であるにも関わらず語尾形で書かれるべき状況というのが存在します。例えば以下の場合です。

  • 正)می‌خواهم
  • 誤1)می خواهم
  • 誤2)میخواهم

مییの部分を語尾形で書かなければいけない例なのですが、これを誤1のようにیの後にスペースを入れたり、誤2のようにیを語中形で書いて繋げてしまうのは、どちらも正書法上は誤りとなるようです。ただ、ぶっちゃけ、ウェブ上でネイティブが書いていると思われるペルシア語を見ても、誤1パターンはかなり見られるし、誤2パターンも散見されるので、正直どうでもいい感じもあります。

本題に戻ると、このیを語尾形で表示させ、さらに次のخとの間にスペースを入れないために、یの後にこのゼロ幅非接合子を入力する、ということになっています。

ソクーンとは?

ペルシア文字を含むアラビア文字系の多くの文字体系*1では、原則として短母音が表記されないのはよく知られた話かと思います。ただ、短母音を表記する方法がまったくないわけではなく、初学者用のテキストや、クルアーンなどでは補助記号を用いて短母音が表記されることが多くあります*2クルアーンアラビア語なので今回は直接関係はないですが。

ペルシア文字には短母音を表す3種の補助記号(ファトヘ、キャスレ、ザンメ)に加えて、その子音に母音が付かないことを明示する記号としてソクーンがあります。アラビア語も、それぞれの記号が示す音価は違うものの、体系は似たような感じです。

ファトヘ、キャスレ、ザンメについてはそれぞれ、shift+a, shift+d, shift+s で簡便に入力できるのですが、ソクーンについては入力方法が用意されていないようで、上記の方法を使わないと入力が困難なようです。

iOSの場合

ちなみにiPhoneiPadといったiOS環境では、ゼロ幅非接合子もソクーンを含む母音記号もキーボードから入力可能なため、問題は発生しません。

*1:ウイグル文字などの例外もあります

*2:元々シリア語にあったものがアラビア語に借用されたようです