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台湾語の教会ローマ字の声調表記への文句

台湾語、福建語、閩南語、いろいろと言い方はありますが、台湾で多く話されている中国語の方言のうち、いわゆる「国語」ではなくて客家語でもないやつです。

台湾語って書いて「国語」を指しているケースも(特に日本語界隈で)ままあるし、福建語とか閩南語は本来もう少し広い方言群を指す言葉だしでややこしい。

その台湾語にも、普通話の拼音(ピンイン)のような、ラテン文字を使用して発音を表記する方法がいくつかあります。その一つが台湾にキリスト教を布教するためにやってきた宣教師たちが定めたものを基にした「教会ローマ字」というものです。

今回はその教会ローマ字の声調表記に文句を言う回となります。非生産的です。

台湾語の声調

前提知識として、現在台湾語の声調は7種類あります。

表を書こうかとも思いましたが、面倒なので言葉で説明します。カッコ内はaを例とした場合の声調表記、最後の数字は国際表音字母(IPA)の声調表記です。IPAについては私の感覚的な数値なので厳密ではありません。

第1声 (a)……高く始まり平らに伸ばす。(55)

第2声 (á)……高く始まり急激に落ちる。(51)

第3声 (à)……低く始まり平らに伸ばす。(11)

第4声 (ap)……少し低めで始まり短く詰まる。(22)

第5声 (â)……中ほどの高さから緩やかに上げる。(35)

第7声 (ā)……中ほどの高さで平らに伸ばす。(33)

第8声 (a̍p)……少し高めで始まり短く詰まる。(44)

声調が7種類なのに第8声まであるのは、第2声と第6声の区別がなくなった、という歴史的な経緯によるようです。

文句

その1。第2声がáなの分かりづらくないですか? なぜ急激に低くなる声調の記号が右肩上がりなのか。まあ、第3声も方言によっては起点から低くなる声調みたいなので、仕方ない気もしつつ、じゃあ起点から高くなる第5声と逆でも良かったのでは感が拭い去れない……

その2。第1声と第7声で混乱する。なぜ高平の第1声に符号が付かず、中平の第7声に符号が付くのか。この辺、私が広東語をイェール式で習得したのも関係していて、あっちでは高平調は「ā」と表記されて中平調は無標の「a」になるんですよ。

その1についてはもう慣れてきたんでいいんですが、その2についてはいまだに油断すると混同しそうになります。まあ、広東語と台湾語は違う言語なので、区別して覚えろ、と言われればそれまでの話なんですが。

今回はこんなところで。